[備忘録]
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乾燥に関する覚書
[乾燥機]
乾燥機を乾燥物の供給の仕方によって分類すると、連続式とバッチ式があるが、その選択基準の第一は乾燥時間の長短による。
長い乾燥時間を要する乾燥物の場合に連続式を採用すると乾燥機のサイズが大きくなりイニシャルコストが大きくなる。
逆に短い乾燥時間で済む乾燥物の場合にバッチ式を採用すると[仕込]->[乾燥]->[取出]の中で乾燥時間が占める割合が小さくなり時間効率が小さい。
もちろん選択基準はその他にも前後装置との関係性やコンタミネーション等を総合的に判断して決定する。
<強制対流式>
熱風を使用し加熱するとともに、水分を持ち去る。
温度が高いほど
恒率期と
品温は熱風温度と湿度における断熱飽和温度とする。
排気の温度と湿度に留意する。
排気温度
= 熱風温度 - (所要熱量 ÷ (熱風質量 × 熱風Cp))
排気湿度 = 熱風湿度 + (除去質量 ÷
熱風質量)
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<気流乾燥機>
混合比(乾燥物の質量 ÷
空気質量)は空気輸送と比較すると小さく、最大でも1である。
乾燥面積が小さいため、除去質量を大きくすることが困難である ⇒ 排気温度と露点との関係 ⇒
一般には排気温度は80〜120℃とする。
成書には熱風吹込温度の断熱飽和温度(湿球温度)よりも20〜50℃ぐらい高くとるとの記載あり。
したがって設計手順的には、温度降下を算定することからはじめるべきである。
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<振動流動乾燥機>
連続式で使用されることが多く、その際の熱風噴出面のアスペクト比は5が標準的な値である。
流動性が小さい乾燥物や、長い乾燥時間を要する場合にはアスペクト比を大きくする。
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<通気や振動流動乾燥機のサンプルテスト後のサイズ算出>
通常においてスケールアップ係数は不要。
・連続式の場合
1 1時間あたりの処理質量(kg/h) ÷ かさ密度(kg/cu.m) == 必要体積(cu.m/h)
2 必要体積(cu.m/h) ÷ 仕込厚(m) == 必要面積(sq.m/h)
3 必要面積(sq.m/h) ÷ ((60min/乾燥時間(min))) == 必要面積(sq.m)
・バッチ式の場合は連続式の場合から時間に関する要素を取り除く。
<減圧乾燥機>
・真空ポンプなどにより乾燥機内を減圧した状態で操作をおこなう乾燥機。
一般的な乾燥機の外気の流入量は1[(Pa・cu.m)/s]を見込む。流入量を小さくすることは可能であるがシール対策がコストアップとなる。
この数値を大気下の流入量[atm.ml/min]であらわすと、乾燥機容積[ml]
x (前後の圧力差[pa] ÷ 101325) x (60 ÷
経過時間[s])となる。
例えば容積3.6[cu.m]の乾燥機の1[h]後の圧力差が1000[Pa]であれば、1[(Pa・cu.m)/s]である。
また大気下の流入量であらわすと592[atm.ml/min]である。
実際の乾燥機においては、容積が大きいほどシール部が大きくなったり数が増えるので困難となる。
<凝縮器>
・コンデンサともいわれる。
凝縮性ガス(=ベーパ)を冷却することにより凝縮させる。
目的は回収および真空ポンプの負荷軽減。
凝縮性ガスに非凝縮性ガスが混入すると熱伝達が小さくなり能力は低下する。
減圧乾燥機においては、機内に流入する空気が該当する。
<燃焼バーナによる湿度上昇>
・空気を加熱する際に燃焼バーナを使用する場合、燃焼により水蒸気が発生する。
直接加熱の場合には直火を使用するため、水蒸気が熱風に混入し、熱風の湿度が上昇する。
1 必要熱量(kJ/h) ÷ 燃料の発熱量(kJ/kg) == 必要燃料質量(kg/h)
2 燃料1kgあたりの水蒸気発生質量(kg/h) × 必要燃料質量(kg/h) == 水蒸気発生質量(kg/h)
3 水蒸気発生質量(kg/h) ÷ 熱風空気質量(hg/h) == 湿度上昇(kg/kg')